畑レポート〜春まき種の発芽状況と気付き〜

2022年7月11日

こんにちは。ビヨンドスタッフの晴香です。

暑い夏が到来しましたね🌻

最近は、日々畑仕事に勤しんでいます。

今年から、各スタッフで担当の畑を割り振ることになりました。担当制とはいえ、完全に個人プレイという感じではなく、お互いに協力し合いながらできたらいいなと思っています。

私は昨年、実験用に自分の担当の畑を割り当ててもらっていたので、引き続きその畑の手入れをしています。総面積で言うと、大体1400㎡くらいです。昨年の春は、ススキやよもぎ、くずばかりの荒地でしたが、最近はいろんな植物が見られるようになってきて、土も前よりふかふかになってきました。

ビヨンドの畑は、肥料や農薬を使わずに、できる限り自然の力を利用して栽培しています。

自然の力に任せると言っても、どれだけ、どのように手をかけるかというのは千差万別で、いろんな方法があると思うのですが、私は苗を植えたり水をやったりせずに、直播でどれだけ野菜が育つのかということをテーマに実験しています。私は旅をするのが好きなので、できるだけ毎日必須の手入れを必要としない畑の作り方を知りたいなぁと思うからです。

直播ではなかなか難しい野菜も多いですが、失敗したら別の野菜を植えてみる、ということを何度も繰り返しているうちに、畑のほとんどに野菜の姿が見えるようになってきました💕

野生化したごぼうが2mくらいの背丈に。数十種類の野菜が元気に育ってます。
昨年蒔いたにんじんがたくさん花を咲かせています。

今回は、春にまいた種を観察した結果と気づいたことなどを書いていこうと思います。

ビヨンドの所在する北杜市明野町は日照時間日本一(雨があまり降らない)標高約600mの冷涼地です。畑初心者の暫定的なレポートですが、自然に任せた栽培をする方の参考になればいいかなと思います。

【ナス科】
トマト
・直播でもある程度発芽するが生育は遅い。4月ごろに直播したトマトは6月下旬に発芽した。
なす
・直播では発芽しなかった。ある程度肥沃な畑で、草取りをこまめにしていても発芽しなかった。
ピーマン
・直播で実験例なし。→来年度やってみたい。
ジャガイモ
・収穫する際に小さな芋を地中に残しておくと、翌年発芽するが、小さい芋からは小さいジャガイモができる。
【ウリ科】
きゅうり
・直播で実験例なし
かぼちゃ
・直播でも発芽する。個体差が大きいが、大きくなっているものもある。
ズッキーニ
・直播で実験例なし
糸瓜
・直播でも発芽する。生育は苗より遅い。
【マメ科】
枝豆
・直播で発芽する。4月初旬だと早すぎて元気がなくなってくる。鹿に枝先をよく食べられる。2020年度は1条分ほとんど食べられて消滅した。ばらまいた大豆も発芽していた。
えんどう
・直播で十分実がつく。開墾したての肥沃でない土壌でも育つが、まきどきが早すぎる(3月下旬)と実がつく前に力つきて萎んでしまう。5月初旬に撒くのがベスト。
インゲン
・エンドウと同じ
・つるなしでもつるありでも収穫量は変わらないように感じるので、つるなしのほうが楽。
・つるありの場合、風向きを考慮して支柱を立てたほうがいい。
・直播でも生育はいいが、市販の苗の方が生育が良かった。
・支柱の高さは2mくらいあったほうがいい。
【アブラナ科】
大根
・春まきの大根はまきどきが早すぎると発芽後の生育が他の草より遅く、草負けしてしまう。直根性なので周りに草が絡みつくと草取りが困難。発芽後の生育が良い5月初旬ごろに撒くのがベスト。
・二十日大根は、肥沃なところでは育つが、開墾したてのところでは発芽しても根が肥大しないまま消えた。まきどきをずらして色々試したが結果は同じ。ある程度地力がないと育たない。
かぶ
・かぶも大根と同じく、開墾したての肥沃でない場所でまくと間引いてもあまり大きくならない。大根よりは若干成功率が高い。
ツケナ類(小松菜・水菜など)
・大根と同様で、まきどきが早すぎると草負けする。
・大きくなったとしても虫に食われやすく、綺麗な状態で大きくなったことがない。
【ユリ科】
玉ねぎ
・冬に大量に苗を作ったうちの、第二畑で一本だけ収穫できた。成功率はかなり低い。
ねぎ
・どのようなところでも育つ。日光不足に弱いが存在感がないので、草取りを忘れやすい。
【キク科】
レタス
・直播だと発芽、董立ちはするがあまり大きくならない。去年のこぼれ種で自生しているレタスは大きくなっているので、自家採取した種で蒔く場所と時期を工夫すれば育つ可能性はある。苗だとよく育つ。
春菊
・スティック春菊というのがあるが、ほとんど食べるところがなかった。大葉春菊もある程度肥沃なところでまいたがあまり大きくならないうちに董立ちした。
【その他】
オクラ
・どのような土地でも直播で発芽する。2021年度は7月中旬に蒔いたものでも少量だが実がついた。
・4月ごろに蒔いたオクラは早すぎたのか生育初期で消えた。
・種子を水に一昼夜つけるように書いているが、水につけなくても普通に発芽する。
・2粒まきと1粒まきで少ししか差はないように見えるが、2粒まきの方が若干生育がいい。直根性なので間引くときはハサミか鎌で根本を切るようにする。
しそ
・草を刈ったところに適当にばら撒くと、6月ごろに発芽する。蒔いたもの全てが発芽するというより、一部分で集団になって発芽するので、空いた箇所に別の野菜など植えられる。
エゴマ
・適当にまいてもかなり発芽率がよく、生育も良い。荒地にとりあえず蒔いておくのにいい。
アマランサス
・エゴマほどの発芽率ではないが、よく育つ。前年に採取した種を春に大量に蒔いて他の草を押さえておくといい。
ほうれん草
・直播では発芽せず。まきどきの問題?
にんじん
・直播で水やりなしでも発芽する。籾殻をかけたほうがおそらく発芽率がいい。6-7月まきはイネ系の草の種が多いところだと草取りが大変。
とうもろこし
・蒔きどきが早すぎると(4月下旬)かえって生育が遅い。
・間引いたとうもろこしの方が大きくなる。
ライ麦
・5月初旬に巻いたらほとんど発芽しなかった。もう少し早めにまくべき。
さつまいも
・雨の日の前を見計らって植えた方がいい。晴れ続きだったので翌日だけジョウロで水をやったらほとんど定着した。苗を植えた後厚めに草マルチをすると、その後の草取りが楽。
もちきび
・2年連続少ししか発芽せず。
里芋
・発芽まで時間がかかるが、発芽率は高い。その間地上部分の草取りを忘れないようにする。