これまでのこと

関西からビヨンドに越してきて1年が経ちました。

日々、面白い人達と出会う中で、自分の凝り固まっていた固定観念がぼろぼろと崩れていきました。代表の室ちゃんをはじめ、北杜市には良い意味での変人がたくさんいるので、いつも良い刺激をもらっています。

自分は「開拓」という言葉に魅力を感じており、自分たちが手を加えることで、その場の景色が変わっていくさまを見るのが好きです。これは趣味でやっているDJにも共通するところで、DJは自分の選曲によってお客さんの動きや、高揚感をコントロールして空間演出する感じなのですが、ここも景色が変わる感覚と似ています。その変化に気づくことこそが、感覚を育てることに繋がっているように感じます。この感覚が育てば、あらゆることに応用できると思っています。それは、料理であれば、風味や食感、色彩感覚に、大工仕事であれば、丁度いい高さの台所シンクをつくるということに、庭木の剪定や竹藪の整備であれば、植生や風の通り道、陽の入り方を調整することに繋がります。現代社会では、科学的な根拠や論理的な思考に重きを置かれていますが、それ一辺倒で生きていると「感覚」つまりは心で感じることが少なくなっていきます。すると、精神は病んでいき、生き生きとした生き方が出来なくなってしまいます。自分も思春期に精神を病んだ経験をしており、その際の自分は、自己嫌悪と自らの感覚を全否定していました。すると、何かに依存しないと生きていけない自分になっていました。まさしく、そうしたのは、他人や環境のせいではなく、自分がそれを選択していたと今では思います。そこに気づいてから、自分と他人を俯瞰して見れるようになりました。

ビヨンドでは親子の訪問者も多く来られるのですが、自分は元々、子供と接することを苦手としていました。それは、理論や科学的に説明しても話が通じないからでした。数年前までは、子供と接する際に、自分の予想に反する行動や言動に苛立ちにも似た戸惑いを感じていました。苛立ちつまりは、自我の声とでもいいましょうか。これは、相手に何かを期待しており、それがなされなかったために生じるものでもあり、そこには、自分の欲や思惑が渦巻いています。これを一度、距離を置いて俯瞰して見ることで、そこに隠れている、自分の問題と相手の問題が見えてくるのだと思います。

振り返ると、自分の幼少期は、わんぱくを絵に描いたような子供で、小学校ではガキ大将的な生き方をしていました。暴力的でわがままに生きてきた結果。中学で友達がいなくなり、とゆうか、それまで友達だと思っていた人たちは、僕を恐れて嫌々ついて来ていたのだと初めて知ったのです。もの心ついたころから暴力でもって人との関係を築いていた自分は、中学生になるまで友達の作り方を知りませんでした。人との関わり方がわからず、孤立し、陰が極まっていきました。そんな自分を解きほぐしてくれたのは、「笑い」でした。どこのクラスにも面白い人が一人はいるもので、その子に僕は救われました。腹から笑わせてもらい、毎日、腹筋が筋肉痛になるくらい笑わせてもらいました。笑うことで、負の感情を浄化してもらいました。また、自分の笑い方は、一風変わっており、ツボに入ると、呼吸困難になるぐらい笑ってしまうのです。気づくと、その笑いにつられて、友達が寄ってきてくれるようになっていました。今まで、自分がいじめていた人たちが、それぞれに個性を発揮しはじめ、面白いことや遊びを考えていく様をみているとこちらも楽しくなったのを覚えています。

 それからは、自然と友達ができるようになり、楽しい中学の思い出がいっぱいです。

そんな経験もあり、問題児と言われるようなわんぱく小僧を見ると他人事ではいられない自分がいます。(笑)

また、ビヨンドにきて子供と接する機会が増えたことで、子供との接し方のコツのようなものが分かってきました。それは、子供をこどもとしてみるのではなく、一人の人として見ることだと感じた。子供に限った話ではないですが、相手を自分の固定観念や常識から、人物像を決めつけてみるのは、コミュニケーションの落とし穴にはまりやく、あるがままに相手を見えなくなってしまい、意思の疎通がうまくできなくなってしまいます。

いつのころからか、自分も子供であったことを忘れてしまっていた時期がありました。子供は敏感なもので、言葉よりも、その人の持っている雰囲気のようなものを感じ取ってしまうので、嘘は通用しません。そのため言葉でうまく繕っても、本心を見抜かれているように感じました。だから、素直に接することが一番楽なのです。

どこまで自分をさらけ出せるか、ここも永遠のテーマのですが、それを日々のビヨンド生活の中でやっていっているかんじです。1件の古民家で共同生活をしていると、隠そうにも隠せない部分は誰しも出てきます。そこで、自分との向き合い方を問われる仕組みとなっているので、自分を成長させるには格好の場所だと思いました。

私は、前職が消防士であり、消防も24時間勤務で寝食を共にする仲間がいましたが、それよりも関係が密だと感じています。(笑)